【抜毛は悪魔か天使か】
抜毛は脱毛症に悩む方には非常に精神的な影響を及ぼす重大な問題です。
抜毛が増えれば血が凍るような恐怖感が押し寄せ、抜毛が減れば改善の効果があったと手ごたえを感じ、回復に光がさす思いでしょう。
もちろん
・抜毛が増える⇒悪化している
・抜毛が減る⇒改善している
という方程式が当てはまる場合も多いのも事実ですが、現場を長年見てきた意見を述べれば、その限りではないということを実感しています。
ただ、きちんとした知識のもとに改善を施し、抜毛が減ったならばその事をプラスに受け止め、精神的な効果を期待することは大変意味のあることなので素直に喜ぶべきでしょう。
しかし抜毛が増えたから悪化したかといえばその限りではないことがい多いのです。
抜毛を正しく理解するためには下記の点を解説する必要があります。
・平均的な抜毛の本数の誤解
・毛が抜けるメカニズム
一般的に一日の抜毛の本数、つまりこのくらいは抜けても正常だという本数のことですが、【一日50〜60本は抜けて当然】といわれています。
おそらく皆さんも聞いたことや何かに書いてあるのを見たことがあるかもしれません。
いったいこのもっともらしい数字はどこから来るのか?
実はこの数値は何かの実証データーでもなければ、実験結果でもないのです。
本当に単純な計算式で出した答えなのです。
成人男性の頭には髪の毛が約10万本あるといわれています。
そして、髪の毛は生えてから抜けるまで5〜6年程度といわれています。
これを計算式にするとなんとあの答えが出てくるのです。
5年=365日×5=1825日 そして、髪の毛10万本をこの日数で割ると
100000÷1825=55【答え55本】
つまり、頭に10万本髪の毛があり、ランダムに5年間で抜ければ一日55本ぐらいだろうと言う安易な計算なのです。
私も数年前までこの数字を「まぁそんなものだろう」ぐらいに思っていたのですが、私の友人であり、尊敬する仕事仲間の足利の生沼先生(生沼先生も毛髪蘇生士)は、この数値を信用せずに自分やご家族の方などの協力のもと抜毛の本数を毎日調べ、さらにタバコをすった年とすわない年で違いがあるのかなど、私にはとてもまねの出来ないようなデーターを調べていました。
興味がある場合は一度のぞいてみてください。こんな大変なことをして収集したデータを無料で惜しみなく公開しています。
詳しくは下記のホームページをご覧ください。
生沼先生のホームページ
【髪がどっとこむ】http://www.kamiga.com/
この生沼先生は当時一日100本以上抜けていたそうで、それがきっかけで抜毛を集め始め、データーを収集したそうです。
しかし、一日100本抜けている生沼先生の頭は薄くなるどころか、毛がフサフサしています。
この事からも、一般的に言われている抜毛の本数の許容値があまり当てにならない事を物語っています。
次に毛の抜けるメカニズムですが、先ほどもいったように髪は5〜6年で生え変わっています。
つまり通常は5年から6年程度伸び続け、抜け落ち、また新たな毛が生えてきて、また5.6年延びると言うサイクルを繰り返すわけですが、先ほどの計算や、生沼先生のデータからも分かる通り、ある程度は抜けることは新たな髪が生えてきていれば、逆に抜毛がないのは不自然だと言うことが分かります。
つまり一番の重要なのは【正常に抜けて】【正常に生える】ことなのです。
人間の身体と一緒で、食事をするだけして排泄しないのは非常に不健康なことです。
髪の毛も新陳代謝するわけですから、ある程度抜けることに関してあまり恐怖感を抱く必要はないわけです。
同時に、抜け毛が減ると言う状況も場合によっては楽観視出来ないことがあります。
以前、一般的な男性の脱毛症になるサイクルについてのご質問に答えた
【発毛をはじめる年齢について】で詳しく述べましたが、上記のような脱毛のサイクルの場合はだんだん髪の成長する年数が短くなって行き、計算上は一日の抜毛の本数が増えるはずです。
ですが、生えてきている髪もあるので抜けている一方でないことが多いのです。
しかし、ある時期を境に抜けなくなることがあります。
ではこれは改善されてきたのでしょうか?
もちろん先に申し上げたように正しい知識で原因を改善した上の結果であれば改善の兆候が現れたのだと思いますが、そうでない場合、現実は深刻なものです。
髪が抜けないと言うことは、新たな髪も生えないのです。つまり、新陳代謝が極端に遅くなってしまったことを意味するのです。
仮にこのような停滞した状態から正しい知識で原因を改善し、回復に向かう場合は当然のことならが代謝が始まるため抜毛は増えることは非常に多いのです。
一般的な知識に当てはめればこの状態は悪化しているとしか取れないのですが、現実はこのようなこともあるのです。
もちろんこれに全ての症状が当てはまるわけではありませんから、抜毛に異常を感じたら私たちのような専門家に相談することをお勧めしますが、以上の様な理由から
・抜毛が増える⇒悪化している
・抜毛が減る⇒改善している
とは完全に言い切れない部分もあるのです。